去る平成27年3月2日、JR博多駅屋上「つばめの杜ひろば」に於いて、東日本大震災復興祈願祭を斎行致された。御来賓として福岡県神社庁 西高辻信良庁長、波多野盾夫・竹間宗麿両副庁長、本山道徳総代会会長及びJA福島中央会参事、JA福岡中央会専務理事並びに丸山康晴JR博多シティ代表取締役社長をはじめ大変ご多忙の中、多数御参列賜った。
まず本事業開催の目的は、東日本大震災を風化させないことである。昨年の3月11日に「東日本大震災復興祈願祭並びに復興祈願撤下米頒布事業」を行い、福岡県内神社宮司様をはじめ数多くの方と神々に祈りを捧げ、被災地に心を寄せる事が出来た。
しかし、被災地では未だに避難生活を余儀なくされている方々、復旧が進まない地域が存在し、風評被害の問題が今なお大きな課題として残っている。そこで、遠く離れた福岡の地からできる東日本大震災復興への取り組みとして、神々に復興への祈りを捧げるため、今年は昨年の復興祈願祭事業に加え、「復興祈願絵馬の奉納」や、「復興の祈りの舞と演奏の奉納」を斎行した。復興祈願絵馬については、県内各神社に設置し、参拝者に福岡から東日本大震災への祈りを捧げる内容をたくさん記載して頂いた。その絵馬の内容の多くは「被災地が早く復興して一人でも多くの人が元気になって欲しい」や「悲しみを乗り越えて来られた方に今後も希望を持って欲しい」等が記載されており、改めて日本人の心の温かさを実感することが出来た。
舞と演奏については、全国吹奏楽コンクールなど「金賞」常連の精華女子高等学校吹奏楽部の皆様、全国高等学校ダンスドリル選手権出場常連の同学校ダンス部の皆様、そしてフラダンス競技大会では福島県立好間高等学校の皆様に、将来を担う福島県と福岡県の高校生が手を取り合って復興への祈りの舞と演奏を奉納して頂いた。特に両高等学校の息のあった演奏は大変素晴らしく、被災地に想いを届けることができたと同時に、私達神職や参加された皆様に感動や元気を頂いた。
復興祈願祭を執り納めると、次に復興祈願徹下米頒布事業をJR博多駅博多口前にて執り行った。今回事業のスローガンである「震災復興へ つながる想い 震災復興への祈り つながる心」を掲げて、精華女子高等学校及び好間高等学校の生徒と共に3,000枚の福島県産の徹下米を頒布した。福島県産米について風評被害は完全に払拭されていないが、生産者は徹底的な検査を行い、安全性やおいしさを求めるのに懸命である。私達は日本の主食である米を各家庭でお召し上がり頂き、復興に少しでもお役に立ちたいという想いは今も変わらない。
復興祈願徹下米の頒布が終わると、最後に櫛田神社にて交流会を執り行った。主に御来賓の方や精華女子高等学校及び福島県立好間高等学校が参加され、「櫛田の水炊き」を頂いた。「櫛田の水炊き」というのは、一般的に提供されることは無く、博多祇園山笠や博多どんたく等の櫛田神社の祭りに御奉仕された方だけに提供されるもので貴重なものである。
今後も福岡神道青年会が被災地に対して何ができるのか考え活動していく必要があり、その想いを一神職が支えていかなければならない。
蒲生八幡神社 禰宜 髙山 定次