第62回 神宮式年遷宮 お白石持ち行事に御奉仕して
平成25年の福岡県神道青年会創立60周年記念事業の1つとして第62回神宮式年遷宮 お白石持行事・特別神領民に是非とも御奉仕したいという提案がなされてより早2年が経ちました。
提案から途中経過までは、ぬぼこ第100号に宮原監事が詳しく書かれておられますが、記録の為にも大まかな内容をこちらにも記載させて戴きます。
平成24年2月、県内各社様へ募集開始、各日多数のお申し込みを賜りました。平成24年7月、お白石持行事奉献本部より左記の人数の御奉仕の御許可が下されました。8月3日内宮様へ45名、8月5日内宮様へ180名、8月30日外宮様へ40名。
それぞれ1泊2日、2泊3日の旅程を準備させて頂き、各参加神社様より行事参加費と旅行参加費を平成25年5月末までに随時御入金して戴きました。お白石持行事に着用します法被セット、白ズボン、白帽子は各神社様へ郵送させて戴きました。白ズボンのサイズ変更が事前に行えたことは良かったと思っています。
以上が、ぬぼこ第100号に記載されてある内容です。
扨、愈々8月に入りお白石持ち行事の御奉仕となりました。各班共通の旅程として次の順序で進行致しました。初日早朝より博多駅にて集合し、御参加の方々へ名札の配付などを行いました。集合より出発するまでは時間の余裕があったために、1人も乗り遅れることなく新幹線にて出発できました。
2部会の方々は小倉駅より合流乗車し、そろって新大阪へ到着。この間に初日の旅程などの説明や、御参加の方々へ必要なものを配付しました。新大阪にてバスに乗車。ドライブインにて昼食。ただし直後に二見輿玉神社にて正式参拝を行うのでアルコールは禁止とさせて戴きました。
正式参拝は法被着用にて行うにあたり、事前に新大阪にてバス乗車の際に手荷物として法被を車内に持ち込んで戴きました。今回の行事中に誘導等に使用する幟等は禁止されていましたので、画用紙に大きく福岡県と記入したものを集合時の目印として準備しました。
これが後々役に立ちました。二見輿玉神社参道にてお白石持ち行事の前日受付及び記念写真の申込を行いました。参道より二見輿玉神社の本殿にたどり着くまでに多くの御参加の方々が写真撮影をはじめられました。私たち神職にとって今回の参加の意義は「御奉仕」です。
しかし御参加の方々にとっては今回の行程は「楽しい旅行」でもあるのです。みなさん海を背景にとても楽しそうに記念撮影をされていました。二見輿玉神社にて心身を清めて頂いた後、ホテルに移動して宿泊。この日の夕食のアルコールはほどほどに抑えて頂きました。
なぜなら翌朝は、お白石持ち行事の御奉仕日であり、午前6時前に朝食をとり一息つく間もなくホテルを出発するからです。ホテルより集合場所へバスで移動の際に参加証である木札を首から提げて頂きました。この木札に奉曳の指定場所が記されていました。
2班に関しては最前列を曳く幸運に恵まれ、綱の先頭を波多野副庁長に曳いて頂けた事は担当部会長として何よりも喜びを感じた瞬間でした。そして綱を曳く際の掛け声が参加者をとても元気にさせてくれました。
エンヤ!エンヤ!エンヤ!どうした!エンヤ!元気が!エンヤ!ないぞ!エンヤ!声出せ!エンヤ!まだまだ!エンヤ!この掛け声を聞くと不思議と、もう一息頑張ろう!という気持ちになってきます。御白石を清浄な白布に包み奉持し歩いて行くと長い長い参道には玉砂利の音のみが響き渡っていました。
もうすぐ新宮だと思うと嬉しい気持ちと前に進むのが何だかもったいないと思う気持ちと2つありました。まだ暫くの間は1歩1歩静かに大切に歩いていたかったのです。新宮の御敷地には既にたくさんの御白石が敷かれていました。それはとても神々しく新宮の美しさをさらに引き立てていました。
そして御参加の方々は思い思いに遥拝をされており、その様子を拝見すると、皆さん一様に嗚呼ここが日本の中心なんだと感じているように見えました。
行事中に幾つかの発見がありました。1班の方々が気付いた点として、法被の袖口に赤リボンをつけたほうが良かったと御助言を頂き、それを2班に実行させて頂きました。2班は180名という大人数の中、小さい子供から年配の方までいました。
進行中の列もかなり縦長となり行事中に逸れる可能性も大いにあったと感じました。案の定、進行中に3名ほど人がいません。私は常に最後尾にいるように心がけていましたが、トイレに行かれた方が逸れてしまったようです。
しかし、1班からの赤リボンの御助言と大きく福岡県と書いた画用紙の御蔭で3名も捜索後すぐに見つけることが出来、無事に行事を行うことが出来ました。また3班が出発する前日より台風が発生したという情報がありましたが、幸いにも台風は我々福岡県奉仕団を避け、晴天に恵まれながらの御奉仕が出来ました。
普段の行いが良いから晴れたんだという3班の方々の声が聞こえそうでした。
やはり何か事にあたる時は、その精神性というか柱のようなものを心に持って置くことは重要であり、この記念事業の作業状況においても二つの言葉を念頭に置く事によって終始ぶれることなく作業を進めることが出来ました。
『あなた達は引率者ではなく、奉仕者であることを忘れてはならない』これは西高辻庁長様より森60周年実行委員長へ伝えられた言葉です。私たちは引率という仕事も兼ねましたが旅行代理店ではありません。
まず青年会員として行事に参加し勉強する機会に恵まれたこと、そして各神社の宮司様方や氏子の方々と共に御奉仕させて頂く機会に恵まれたことに「感謝」して奉仕せねばならない。次にこの記念事業の開始当初に森60周年実行委員長が示した方向性の一つ『御参加の方々が安心して宿泊できるようにしたい』という言葉。
御参加の方々が「安心」出来る奉仕・旅行環境を作ることは、御参加の方々が今回の行事に参加して本当に良かったと思える一要因に十分なりえること。ふと日常の社務に置き換えてみても、この二つの言葉がピタリと当てはまる。奉仕しているではなく、奉仕させて頂いている事、それに感謝すること。
そして常に参拝者の参拝環境作りを念頭に置き実行したならば、それぞれの御社の神様も御喜びになられるのではなかろうか。
最後になりましたが、この記念事業を完遂出来たことは、福岡県神社庁 西高辻庁長様を始め県内各社の宮司様及び当会諸先輩方、現在活躍しています役員及び会員の皆様の御理解御協力の賜物と篤く御礼を申上げます。そして2年間、共に取り組んできた3部会の仲間達にも感謝したいと思います。
今回参加した役員の名前を記載しておきます。20年後の青年会員が再び御白石持ち行事に参加しようとする際は下記の人たちにアドバイスを求めるといいだろう。
[青年会役員奉仕者]
■期日 平成25年8月3日
内宮御奉仕 1班 担当3部会会員 宮原章史
青年会役員 波多野監事・森60周年実行委員長・重村事務局長・熊谷支部委員
■期日 平成25年8月5日
内宮御奉仕 2班 担当3部会会員 宮原一豪・久富貴文
青年会役員 花田会長・林田副会長・重村正親支部委員
■期日 平成25年8月30日
外宮御奉仕 3班 担当3部会会員 田尻真哉・上田重統
福岡県神道青年会 第3部会
会長 久富 貴文 (日吉神社 禰宜)
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